華郵集錦5・中国東北郵便史/水原明窓/郵便の面から見た同地の100年の歴史ですが中国の人びとにとっては苦難の歴史を物語る文物集である

商品説明
華郵集錦5・中国東北郵便史/水原明窓/郵便の面から見た同地の100年の歴史ですが中国の人びとにとっては苦難の歴史を物語る文物集である

1986年 268P 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。

はしがき
ここに1冊の本として、まとめましたコレクションは、わが国では長いこと「満州と呼んでいた、中国の東北地方の近代郵便史です。私は長い間、中国切手のコレクションを していますが、テーマチクとして、この地を表現できないだろうかと考え、1975年のパリにおける国際展に、120リーフをもって出品しました。その成果は銀賞で、そのときの出品をベースに、《華郵集錦》第1部の第5巻に「東北近代史」として発表しました。

しかしいろんな点で、テーマチクのコレクションとして発展させるには、無理があります。むしろ、すなおに郵便史として、まとめていった方がよいと、考えを改めまして しずつ材料をふやし、ふたたび国際切手展に出品しました。その成果は、1982年のパリで 銀賞、1983年のリオデジャネイロで金銀賞とランクを上げ、1985年のテルアビブで、よう やく念願の金賞をえることができました。

中国の東北地方は、清朝発祥の地ですが、前世紀末からロシアと日本の進出におびやかされてきました。日清・日露の戦いを経て、1920年にロシアが撤退すると、日本の独占的な支配が強まり、1932年には関東軍の手で「満州国」が作られました。日本は中国の領土である満州を自国の「生命線」と呼び、完全な植民地化をはかっていきました。このコレクションは郵便の面から見た、同地の100年の歴史ですが、中国の人びとにとっては、苦難の歴史を物語る文物集であるといえましょう。

全体のコレクションの量は、アルバムリーフにして、800近くになりますが、1冊の本 としてまとめるため、1945年以降の分は、すべてカットし、タイトルのページを示すに止 めました。またそれ以前の時期においても、1ページに2リーフを入れるという、見苦し い編集をしながら、なお一部はカットしなければなりませんでした。それでも、これによ って東北地方の郵便史の、アウトラインは十分に知っていただけると思います。

このコレクションを作るにあたり、内外の多くの郵趣著作を使わせていただきました。 その数は50篇をこえます。それがなかったら、とてもこれだけに、まとめることはできな かったと思います。ここに先賢・先輩の皆さんのご努力に感謝するとともに、本書がそれ へのご恩がえしとなり、今後の研究の資料として役に立つなら、幸いと考えています。
1986年1月1日
水原明窓

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